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展示資料15 御家臣名前記 横帳 12.9×35.0p 安政3年1月 展示キャプション 二条家の家臣名簿。都合126名の名前と肩書きが名簿作成後の異動とともに記されている。なお、二条家の家臣には、実際に役務を勤める「出勤」と、金銭を支払うことで家臣の身分を獲得した「未勤」とが存在していた。 解説 二条家の家臣は、諸大夫・侍・御用人・御側席・御使番席・御奏者番席など、計17の「席」によって格付けがなされている(年代によっては、17よりも少ない場合もある)。 さらに、席のなかでの役目を示す「役」や「掛」があり、本史料には、各「席」ごとに氏名および「役」・「掛」が記され、年度の途中で人員が 追加・変更などされた場合には、異動が加筆されている。当室には、嘉永5(1852)年から明治5(1869)年までの ものが残されており、基本的には年に1回作成されていたようである。 二条家には、実際に勤務を行って二条家から給録を受け取る「出勤」の家臣がいる一方で、給録はなく実際の勤務も おこなわずに、家臣としての「格」のみを持つ「未勤」の家臣が存在した。 「未勤」の家臣は、二条家へ対し「御礼金」を支払うことによって家臣となり、屋敷への出入り、 帯刀の許可や紋付き提灯・掛札などが預けられるという形で与えられるという特権を得ていた。 このシステムは、二条家にとっても、家臣という立場を与えることによって金銭収入が発生し財政の助けになるものであった。 「出勤」の家臣については「御家臣性名録」、「未勤」の家臣については「御家来列御立入等願人名前帳」(ともに当室所蔵)にも記載がある。 参考 中村佳史「摂家の家司たち」(高埜利彦編『身分的周縁と近世社会8 朝廷をとりまく人びと』2007、吉川弘文館) トップに戻る 翻刻 (前ページより続く。「御側席」の続き) 御勘定役 入江此面 未勤 御貸附掛 青井典膳 御使番役 在坂 船場屋敷御用所 倉橋斎宮 石座御殿 御付属 濱崎左内 御使番役 岡本金吾 本役 喜頭頼母 御使番席 本役 安藤内匠 御勘定役 大塚要人 御側加勢 嶋右衛門 同 岡本左近 本役 岡右兵衛 御勘定役 関口監物 御側加勢 兼円福寺掛 鈴木勘ケ由 未勤 熊谷龍太郎 御勘定役 入江伊織 本役 大村弾正 未勤 石束多膳 御奏者番席 未勤 藤中右膳 同 山本左馬 御使番准役 兼御祐筆役 円福寺掛 小笠原舎人 御番御免 辰八月廿一日常勤ニナル 倉橋主殿 未勤 倉橋貞次郎 同 浅田多門 同 在府 中原左司馬 御使番准役 上田正親 同 中村一馬 トップに戻る
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