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展示資料16 京四条河原夕涼図巻 巻子 高さ22.0cm 正徳・享保年間(1711-1736)頃写 解説 京都鴨川四条河原の夕涼みは、祇園祭の最中、祇園社の御輿が御旅所に遷されている 旧暦6月7日から18日にかけて行われた年中行事で、河辺に設けられた床机には水茶屋が開かれ、 武士や庶民が飲食を楽しんでいる様子が表情豊かに描かれている。川の水で神輿洗いをして 神様を神輿に乗せ祇園社に迎えているため、この時期は川で楽しむことができたという説もある。 四条河原の夕涼みを描いた浮世絵や名所図会の類いは、歌川貞秀(1807-1879)によるダイナミックな構図のものや、 美人画風の広重(1797-1858)などの作品をはじめとしてかなりの数に上るが、多くの武士が登場し、 江戸の早い時期の雰囲気を漂わせているところが本作品の特徴であろう。 箱書きには「正徳享保年間頃写」とあり、18世紀初めのものと推定されているが、 17世紀後半には工事を伴う床がみられるようになったことから、 簡易な床几が描かれているこの絵巻は、もう少し時代を遡る時期の 様子を描いたものと思われる。 ほろ酔い加減の友人から誘われて、なんとかやり過ごそうとしている場面であろうか、 彼等の甲高い会話や、嬌声、三味線の音が聞こえてきそうである。 『弘文荘待買古書目』に本資料が掲載されている。 参考文献 『四条河原』(近世風俗図譜 第五巻)小学館、1982 反町茂雄編『弘文荘待賈古書目』(DVD版)八木書店、2002 川嶋 將生『祇園祭』吉川弘文館、2010 トップに戻る トップに戻・・/a>
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