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展示資料3 佐竹様御国入御行列付 一紙 縦23.8㎝×横91.5㎝ 江戸後期 解説 出羽久保田(秋田)藩佐竹家の大名行列を描いた刷り物である。佐竹家の家紋「五本骨の扇に月」が各所に見える。佐竹家は戦国時代に常陸国(現茨城県)を根拠に大きな勢力を誇ったが、関ヶ原の戦いで石田三成(1560-1600)側についたことにより、約54万石から出羽久保田20万石余に減封となった。領地は大幅に減ったものの、一国もしくは一国に匹敵する領地を有し、さまざまな特権が与えられる国持大名の格式が与えられた。 久保田に向かう佐竹家の大名行列を描いた本図は、実際には総勢500名を超える行列全体を90名弱に大幅に省略して示しており、全体の人数・内訳等は上部に文字で詳細に記録されている。行列は、両押と呼ばれる2人の足軽に続き、鉄砲50挺、弓50挺、長柄50筋、持筒5挺などの武威の誇示からはじまる。それらに続いて、御花馬、狩犬、御鷹、具足櫃など大名の身の回りのものとともに、駕脇・小姓等80名に護られて大名の乗った御駕が進んでゆく。そして最後には、御家老2名がそれぞれ80人の供を従え進んでゆく様子が描かれている。総勢500名を超える行列は、20万石を領する国持大名・佐竹家の格式の高さを示している。 上段末尾に「古河様より御馳走船四十艘出ル」とあるのは、武蔵栗橋(現埼玉県久喜市)から利根川を渡る際に、隣接する下総古河藩主から船が提供されたことを伝えている。一枚の刷り物から、江戸時代の大名の移動に関する諸相をうかがい知ることができる。 トップに戻る トップに戻る
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