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展示資料4 御上京御大名付 一紙 縦23.0㎝×横28.8㎝ 江戸後期 解説 幕末期、京都に滞在した大名を一覧にした刷り物。一番上に家紋、続いて領地、そして大名の姓と官職名が記されている。幕末期に政局の中心となった京都に、いかに多くの大名が集まっていたかが見てとれる。中でも目を引くのは、一番右上の「加賀宰相」(加賀前田家当主)であろう。大名衆の中で唯一、「様」がつけられており、別格扱いされている。興味深いのは、松平家の名称が別名で書かれていることである。徳川家康(1543-1616)の次男結城秀康(1574-1607)の流れを汲む松平家は「結城」姓が、三河以来の松平家の一つである豊後杵築藩主の能見松平家は「能見」姓が記載されているが、これは徳川家に連なる「松平」姓を避けたものであろうか。葵の家紋も消されている。徳川・松平の忌避ともいうべき版面は、当時の世相を知る上でも貴重な資料であろう。なお、右下隅の「紀州新宮 水野大炊頭」は、「江戸ヨリ木曽街道新宮城ニ至ル地図」(展示資料2)にも登場した水野忠央(1814-1865)の子・忠幹(1838-1902)である。忠幹の官職名「大炊頭」からも、幕末期の資料と推定される。 トップに戻る トップに戻る
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